34、上座尋禅 はじめは禅僧であった。 後に所司という役職についたが、早くに辞め、 常に政所に住した。 ようやく暮齢にさしかかり、ひとえに世務を厭うた。 仏を念ずる他はせず、 後に臨終の時に及んで、沐浴潔斎し、新たな浄衣をまとい、 安らかに座したまま終わりを迎えた。 阿弥陀仏を念じたままである。 深く阿弥陀聖衆の来迎の誓いをたのみ、慕って安養としていた。 どうして安易に浄土に往生しないといえようか? いや、確実に往生したのである。 次へ
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