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バーチャル高野山めぐり 〜伽藍篇〜

伽藍参拝


まず、伽藍の全体図を見てみましょう。


ちょっと見にくいですが、上空から見ると、現在の伽藍配置はこのようになっていて、
赤線のように繞って数字のところで各真言を唱えます。

他にも、今はないけど、「灌頂堂」が大塔と御影堂の間にありましたので、
そこもお参りして胎蔵大日・金剛界大日・南無八大祖師を唱える、という次第もあります。

それでは、参拝に出発です。

伽藍入り口

これが伽藍の入り口ですが、
私が加行した際は、
「加行者の分際で、正面から堂々入るんじゃない!」と言われました。
ここまで拱手(手をブラブラ振らずに、前で両手を重ねておく)歩き、
伽藍の中ではずっと合掌したまま歩きます。

伽藍入り口、その2

・・・というわけで正面入り口の向かって左側にある小道の前で、
中礼三度してから入ります。

大門

境内に入り、中門の上辺りから、大門を遥拝します。

・般若心経一巻
(昔は各金剛力士一巻ずつということで、計二巻唱えました)
・金剛力士宝号「南無金剛力士」七遍

ちなみに、これが実際の大門です。

大きく「高野山」と書かれております。

金剛力士です。
阿形。

吽形。

中門

現在は礎石が残っているだけですが、復興する予定らしいです。
・毘沙門天真言「オン・ベイシラマンダヤ・ソワカ」七遍
(注:「ベイ」というのは山内読み。下では「バイ」)
・持国天真言「オン・ヂレイタラシュタラララ・ハラバダナウ・ソワカ」七遍
(注:各真言とも、昔は二十一遍ずつ)

金堂

中門跡から後ろを振り返れば、金堂です。
・本尊薬師如来真言「オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ」七遍
・アシュク如来真言「オン・アキシュビヤ・ウン」

(注:薬師仏とアシュクは同体であるという)
・胎大日如来真言「アビラウンケン」七遍
・金大日如来真言「オン・バザラ・ダトバン」七遍

金堂内諸仏は結縁灌頂のときに拝観できます。

また、ここには胎蔵・金剛界両界の曼荼羅が掛かっています。
春と秋の結縁灌頂のときに公開されます。

参考図書
「写真集 高野山密教曼荼羅 空海の世界」
発行:コスミックインターナショナル¥4762

一切経蔵

別名「アラカワ経蔵」とも言われます。

・釈迦如来真言「ナウマク・サマンダ・ボダナン・バク」七遍

(注:昔は二十一遍)

経蔵から御社へ

御社

・(昔はまず理趣経一巻、或いは各社に一巻ずつ計二巻)
・般若心経一巻(昔は三巻、「仏説」つけなくても可)
・立義分一巻(昔は三巻)
・丹生明神真言「オン・アビラウンケン」七遍
・高野明神真言「オン・バザラ・ダト・バン」七遍
・気比明神真言「オン・バザラ・ダラマ・キリク」七遍
・厳島明神真言「オン・ソラソバテイエイ・ソワカ」七遍
・明神宝号「南無大明神」七遍

(昔は各二十一遍)

山王院

振り返れば、山王院があります。
ここでは何も唱えません。

西塔

五仏真言 各七遍(昔は各二十一遍)
・大日如来真言「オン・バザラ・ダト・バン」
・宝幢如来真言「ナウマク・サマンダ・ボダナン・ランラク・ソワカ」
・開敷華王如来真言「ナウマク・サマンダ・ボダナン・バンバク・ソワカ」
・無量寿如来真言「ナウマク・サマンダ・ボダナン・サンサク・ソワカ」
・天鼓雷音如来真言「ナウマク・サマンダ・ボダナン・カンカク・ソワカ」

西塔内諸仏は、普段は公開していません。
金剛界大日如来と胎蔵四仏です。

参考図書
「写真集 高野山密教曼荼羅 空海の世界」
発行:コスミックインターナショナル¥4762

孔雀堂

・孔雀明王真言「オン・マユラキランデイ・ソワカ」七遍
(昔は二十一遍)


孔雀堂孔雀明王像

こちらも格子越しに拝観できるだけなのですが・・・。
ここで注意して頂きたいのは、仏前の金色蓮華の造花。
何だか孔雀の羽のように、放射状に作られているのです!

参考図書
「写真集 高野山密教曼荼羅 空海の世界」
発行:コスミックインターナショナル¥4762

もともとは快慶作の超美麗な孔雀明王が本尊としておさめられていました。

この孔雀さま、隆蓮房的には日本の仏像の5本指に入ります。

参考図書
「高野山の明王像」発行:高野山霊宝館
「空海と高野山」発行:高野山霊宝館¥2500

准提堂

・本尊准提観音真言「オン・シャレイ・ソレイ・ソンデイ・ソワカ」七遍
・如意輪観音真言「オン・ハンドメイ・シンダマニ・ジンバラ・ウン」七遍

准提観音は、「観音」・「仏母」の両説あります。
この伽藍では「観音」。
この観音を信じれば、在家者でも出家者と同じ功徳が得られるということです。
仏前に鏡を飾ります。
得度式にも祀ります。
「〜観音」という場合、阿弥陀仏の御姿が額についていて、
これを化仏というのですが、准提観音には化仏がない場合も多いそうです。

また、この堂内の如意輪観音は、大師の念持仏という伝があります。

参考図書
「写真集 高野山密教曼荼羅 空海の世界」
発行:コスミックインターナショナル¥4762

三古の松

弘法大師が入唐した際、
日本に密教を広めるべきよい土地があれば、そこに飛んで行け!
と投げた三古が、この松にかかっていたそうです。
また、普通の松は松葉が二本一組になっていますけど、
この松の葉は三古のように三本一組になっていますので、
記念に拾っていかれる方も多いです。
ここでは何も唱えません。

御影堂

・理趣経百字の偈(丁寧には一巻)
・仏頂尊勝陀羅尼 一遍(丁寧には三遍)
・両部大日如来真言「アビラウンケン・バザラダトバン」七遍
・弥勒菩薩真言「オン・バイタレイヤア・ソワカ」七遍

(注:バイは下ではマイと唱えられる)
・大師御宝号「南無大師遍照金剛」七遍(昔は二十一遍)

御影堂全体図

御影堂の大師尊像はポピュラーで、
山内のいくつかの場所で入手可能です。
もともとは平城天皇の皇子で、薬子の乱で廃太子にされた
真如親王(高岳親王ともいう)の筆になるものです。

ふたたび、三古の松です。

次に金堂裏に行くのですが、ここで重要なポイントを一つ。
画面左側、三個の松と御影堂の間は通らないこと。
この場所で、邪教の経典を焼いたのだそうです。
ですから、向かって右側を迂回して通りましょう!

金堂(裏正面)

・舎利真言「オン・ボロン・ソワカ」七遍
(丁寧には、舎利礼七遍、真言二十一遍)

鎌倉末期ころの琳賢という僧侶の肉眼舎利をお祀りしているということです。

嶽弁才天社

この辺り(御影堂の東の辺り)から、嶽弁才天社を遥拝します。

・弁財天真言「オン・ソラソバテイエイ・ソワカ」七遍

ちょっと脱線・・・。
さて、実際の嶽弁才天社の上り口は、大門の脇にあり、
そこにも遥拝所が設けられています。

登っていくと、参道沿いに赤い鳥居が立ち並んでいます。

参道の途中に見晴らしのよい所があり、大塔を遥かに望むことができます。

嶽弁才天社

弘法大師が仏法紹隆福田のために宝珠を埋め宝瓶を安置し、
天女を勧請したということです。
その後、一本杉に住む妙音房という天狗が、
常にこの岳を守護すると伝えられています。
下り道は、女人堂へと更に続いています。

お札を納める場所もあります。

あ、コレ、隆蓮房の納めたお札です。
伽藍や奥之院だとすぐ一杯になってしまうのでしょっちゅう撤去されているんだけど、
嶽弁天だとあんまり納める行者いないのかな?
何年前のよ、コレ?
(十年経ってもあったらしい・・・・・報告を受けました)

大塔

五仏真言 各七遍
・大日如来真言「アビラウンケン」
・アシュク如来真言「オン・アキシュビヤ・ウン」
・宝生如来真言「オン・アラタンナウ・サンバンバ・タラク」
・観自在王如来真言「オン・ロケイ・ジンバラ・アランジャ・キリク」
・不空成就如来「オン・アボキャ・シッデイ・アク」

大塔内部は拝観できます。

参考図書
「写真集 高野山密教曼荼羅 空海の世界」
発行:コスミックインターナショナル¥4762

大塔から不動堂へ

覚海大徳廟

不動堂の辺りから遥拝します。
師曰く、「天狗の霊になったので、お願いしてはいけない」とのことです。

・光明真言「オン・アボキャ・ベイロシャナウ・マカボダラ・マニ・ハンドマ・ジンバラ・ハラバリタヤ・ウン」二十一遍

参考までに、実際の覚海大徳廟を見てみましょう。

遍照尊院の手前に案内が出ていて、
そこを少し行くと、右側に階段があります。

廟の手前にお札を納める場所があり、
四度加行をはじめとする色々な修行をクリアした修行者は、
成満のお札を打ち付けていきます。

これが廟です。

御札です。
コレは私のものではありませんが、求聞持のお札ですね。
ありがたい。

不動堂

行勝上人念持仏の不動明王像がおさめられていたそうです。
行勝上人は、鳥羽皇女の八条女院にこのお堂の建立を勧めた人物です。
八大童子は共に運慶作で、国宝。
この不動堂の建物自体も高野山現存最古の建造物で国宝です。

・不動明王慈救呪「ナウマク・サマンダ・バザラダン・センダ・マカロシャダ・ソワタヤ・ウン・タラタ・カン・マン」七遍

両眼を見開いた古い形の不動明王です。
後代、天地眼に変化し一般化します。

参考図書
「高野山の明王像」発行:高野山霊宝館
「不動堂と八大童子像」発行:高野山霊宝館¥1500
「空海と高野山展」発行:高野山霊宝館¥2500

愛染堂

・愛染明王真言「オン・マカラギャ・バゾロシュニシャ・バザラサトバ・ジャク・ウン・バン・コク」七遍

本尊の愛染明王像は普段は格子越しに拝観できます。
天に向かって弓矢を構える「天弓愛染」です。

愛染護摩って愛染大呪千反?・・・・・気が遠くなりそうだ・・・・・と思っていた大学生の頃。
まさか自分が三十万反お唱えする羽目になろうとは・・・・・。

参考図書
「高野山の明王像」発行:高野山霊宝館
「写真集 高野山密教曼荼羅 空海の世界」
発行:コスミックインターナショナル¥4762

大会堂

・本尊阿弥陀如来真言「オン・アミリタ・テイゼイ・カラ・ウン」七遍
・釈迦如来真言「ナウマク・サマンダ・ボダナン・バク」七遍
・文殊菩薩真言「オン・アラハシャナウ」七遍

参考図書
「写真集 高野山密教曼荼羅 空海の世界」
発行:コスミックインターナショナル¥4762




三昧堂

・本尊大日如来真言「オン・バザラ・ダト・バン」七遍

参考図書
「写真集 高野山密教曼荼羅 空海の世界」
発行:コスミックインターナショナル¥4762

瑜祇塔

東塔付近から遥拝します。

・両部大日如来真言「オン・アビラウンケン・バザラ・ダト・バン」七遍

さて、実際の瑜祇塔は比較的最近できた建物らしいです。
近くに行ってみて撮影したのですが、
夕闇は迫り、木立がさえぎり、鉄条網はあるしダメでした。
いつかまた機会があったら撮りなおして更新しますので、
今回は、これでご勘弁を!<

東塔

・尊勝仏頂尊真言「オン・アミリタ・テイジャバチ・ソワカ」七遍

東塔も比較的新しい建物です。

高野山在住時、この塔内に仏画を描いた画師にお会いして弟子入りを勧められたのですが(そもそも高野山には仏画を描くために上ったのだ)、修行のほうが面白くなってしまい、行者になってしまいました。

何かの法会の時に赤々と内部で灯明がともされたさまは、実に美しかったですよ。
だって仏画もまだ新しくて鮮やかですから。

参考図書
「写真集 高野山密教曼荼羅 空海の世界」
発行:コスミックインターナショナル¥4762

立里荒神社

東塔の辺りから、東塔を背にして遥拝します。
機会があったら、実際の神社の写真を撮影に行き、更新します。

・三宝荒神真言「オン・ケンバヤ・ケンバヤ・ソワカ」七遍

立里神社にも御札を納める場所があります。

*「紀伊人」さんのHPに写真がUPされていますので、
リンクのぺーじから見てみてください。

智泉大徳廟

付近の参道から一礼

正面から見るとこんな感じです。

蛇腹道

この参道を通って出ます。
秋になると、両側は紅葉して、それはそれはキレイです。

大伽藍出口

出口まできたら、振り返り(上図)、中礼三度して終了です。

お疲れ様でした。

奥之院参拝